海と陸の構成比が七対三という地球に住んでいるせいでもないのでしょうが、人類は七対三という比率を好んでいます。国旗の縦横比も七対三だし、男性のヘアスタイルも七三分けが基本です。床の間に花瓶を置くときも、中央よりは七対三の位置に置く人が多いようです。写真においても七対三に分割する三分の一構図が好まれています。
縦と横を三等分するのが三分の一構図
画面を三等分するラインを引くと縦に二本、横に二本と計四本のラインが成立します。そして、その四本のラインによって画面は9個のブロックに分けられます。四本のラインの交点が画面を三分の一に分割するところで、被写体をこの四か所のいずれかに配置すると三分の一構図になります。この構図は安定していてバランスがよく、写真のみならずグラフィックデザインの世界でもよく用いられています。
日の丸構図を脱したいと願う人は被写体をこの位置に配すれば次のステップに進みやすいと思っていいでしょう。
上、または下から三分の一に分割する方法も
三分の一構図のパターンのひとつとして画面を9個のブロックに分ける方法を紹介しましたが、水平線、または地平線を三分の一に配置する方法もあります。上下を二分の一に分割すると日の丸構図以上に面白みのない平凡な写真になりがちです。そこで、上三分の一、または下三分の一で区切ります。すると、やはりバランスのいい安定した構図になります。
もっとも、この数字は厳密なものではありません。正確な三分の一でなく、二・五分の一でも三・五分の一でも構いません。要はバランスが取れていればいいのです。同様に、9個のブロックもアバウトで問題はありません。大体その位置にあれば見る人は満足するものです。
被写体はひとつである必要はありません
被写体を四本のラインの交点のいずれかに配置する……そう表現すると、被写体はひとつでないといけないと思うかもしれません。それは誤解です。必ずしも被写体はひとつである必要はないのです。前景もまた交点に配置すればいいのだし、背景のオブジェクトも交点に置くことで三分の一構図は成り立ちます。
さらには、連続する被写体の前と後ろをそれぞれ交点に配するという方法もあります。これは応用のひとつであり、探せばもっとさまざまなパターンがあるでしょう。三分の一構図のバリエーションは無数にあります。
「三分の一構図」=「いい写真」ではありません
カン違いしないでいただきたいのですが、被写体を画面の三分の一に配置すれば必ず「
いい写真」になるわけではありません。被写体の選択から色、明暗、光の使い方、適切な設定(シャッター速度や絞り、露出補正など)、そしてたくさん撮影した写真の中からどれを選ぶかという選択です。
デジカメ時代になってカメラマンは同じ被写体に対して数多くシャッターを切るようになっています。フィルムにも現像にも経費がかからなくなり、気楽にシャッターが切れるようになったからです。しかも、撮影後の処理も簡単です。その結果、同じような写真が10枚も20枚も残ります。その中から1枚を選び出さないといけないのです。これは結構、大変な作業になります。
四分の一構図もあり…です
三分の一という数字はアバウトでいいと前述しました。さらに、バリエーションは無数にあるとも前述しました。このふたつからいえるのは、三にこだわる必要はないということです。四でも五でもいいのです。とはいえ、「五」では二分の一構図になってしまいます。それは日の丸構図にも通じ、それはないのでは? と感じる人がいるかもしれません。しかし、日の丸構図は全面的に否定できるものではありません。被写体の選択やその他の条件によっては日の丸構図でも十分アートとして通用します。四分の一、五分の一構図でも感動を伝える写真はいくらでもあります。
ビギナーの多くが日の丸構図を撮ってしまうように、三分の一構図もまたたくさんのカメラマンが採用しています。それだけ多くの三分の一構図の写真があるということです。言い換えれば、この構図もありふれています。新鮮味を出すのは難しく、それに変化をつけるのが四分の一、五分の一構図なのです。
メインの被写体がいずれかの端に寄ると広いスペースが生まれます。そこをどのように利用するかでカメラマンの技量が発揮できるのです。広い範囲をとらえることの多い風景写真では特にその傾向が強く表れます。
オートフォーカスではピントがずれます
写真を撮るときは最初にメインの被写体にピントを合わせます。次に、被写体を三分の一の位置にずらすと、通常ならピントは中央部に合います。つまり、被写体にはピントが合わないのです。これではカメラマンの意図に反します。三分の一、四分の一に移動してもピントが合っていなければいけないのです。
それを可能にするにはマニュアルフォーカスを利用するか、またはフォーカスロックを用います。フォーカスロックは難しくありません。ピントを合わせた時点でシャッターを半押しにして、そのままでフレーミングをずらします。カメラの機種によって半押しのレベルが異なりますから、自分のカメラのシャッター深さ、固さをしっかり指に覚え込まさなくてはなりません。その点、マニュアルフォーカスにしておけば簡単です。
まとめ
ありふれていて新鮮味はありませんが、三分の一構図はマスターしておきたい構図のひとつです。これはという被写体を見つけたら、中央に置いたり、三分の一、あるいは四分の一に置いて、残りのスペースをどうするかを考えてください。そして、次の段階として、それ以外の構図を模索してみてください。
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