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カメラレビュー vol. 13

CANON EOS 7DMarkⅡ

· カメラ

キヤノンのミドルクラスのデジタルカメラとして、EOS 7Dが登場したのが2009年の事。期待のAPS-Cセンサー一桁機は、当時イメージモンスターという異名をひっさげて登場しました。当時ライバル機であったニコンのD300sが画素数1230万画素であったのに対し、EOS 7Dは1800万画素と当時のAPS-C機では驚くべき高画素機であった事を思い出します。

フルサイズならともかく、APS-Cセンサーのサイズに対しての画素数として、1800万画素というのはかなり画素ピッチが狭くなり、正直当時の技術では高感度側での不利とレンズの粗がもろに出てしまうというという事で、当時は雑誌やネットでも「レンズを選ぶカメラ」とも言われました。良いレンズを使えばとことん良いのが撮れ、その逆はやはりとことん逆というような、私からすればレンズの良し悪しを増幅するようなカメラの印象でした。

そのEOS 7Dが5年の時を経て2014年にMarkⅡとなって再登場。今回のモデルチェンジで初代と比べどこが変わったのでしょう?今回はEOS 7DMarkⅡのお話です。

EOS 7DMarkⅡの目玉

滝

今回のEOS 7DMarkⅡ、センサーの画素数は先代の1800万画素に約200万画素程増して2020万画素となっています。先代が発表された当時は1800万画素で「高画素」を売りにしていましたが、流石に現代では2000万画素オーバーの機種は高画素ではありますが珍しくありません。

 

しかし本当の目玉はここから。先代の7Dが高画素・高速連写機であった流れで今回のMarkⅡも高画素でありながら高速連写を実現しています。連写スピードは10コマ/秒で、連続撮影枚数はRAWで31枚、JPEGならなんと1090枚も連続撮影が可能となっています。これはやはり画像処理エンジンのおかげなのですが、この7DMkⅡには高性能画像処理エンジンであるDIGIC6が2基搭載されています。高画素で重い画像データ処理を2基のエンジンで並行処理することにより、高画素でありながらの高速連写を実現しています。

 

また、AFの性能も進化しました。AFの測距点は65点のオールクロスセンサーで、中央はF8対応のデュアルクロスセンサー。センサーの配置はミラーレスでなく通常の一眼レフなのでどうしても中央に寄りがちになってしまいますが、それでも兄貴分の5DMkⅢより大い測距点は若干なりとも写真撮影において自由度が上がります。このAFについてはやはり高速連写機らしく追尾性能が上がっていて、「EOS iTR」という新追尾システムと「AIサーボAF Ⅲ」により、最初にピントを合わせた物の形・色を認識し、ターゲットが測距点を外れても追尾していくとのこと。よって、動体の場合はAFを65点自動選択選択モードにして最初に一度目標にピントを合わせてロックオンすれば、カメラのフレームに入っている限りはピントを合わせ続けるので撮影が楽ですよね。車や飛行機などのある程度移動先が予測できるものだけでなく、鳥や動物など予測不能な動きをする動物にもAIにより予測・対応することができます。

 

また、ファインダーは視野率100%のOVFで非常に見やすい上に、前作はファインダー内に撮影情報を映し出す透過液晶があった為、フォーカシングスクリーンの交換はできませんでした。今回はフォーカシングスクリーンの交換が可能となっており、さらにピントを追い込み易いスーパープレジョンプレジョンマットに交換することもできます。

きれいな動画

雪山

「EOSムービー」という、一眼レフカメラで動画を撮影するメリットを初めて世に知らしめてくれたのは先代の7Dとその兄貴分の5DMarkⅡでした。

 

一眼レフカメラのセンサーサイズはたとえAPS-Cサイズだったとしても、ビデオカメラのそれとはまったく比較にならないほど大きく、動画のダイナミックレンジの幅もビデオカメラとは比べ物にならないくらい広いものであったので、デジタル一眼レフで動画を撮影すればただでさえ綺麗な動画が撮れる。それに増して一眼レフカメラ用のレンズが素晴らしい。そもそも動画のことなど考えてなかったであろうカメラのレンズは、ボディ内モーター使用時のギギーというびっくりする位大きな音はもちろん、超音波モーターでもAF駆動音が動画に入ってしまうなどの弊害もありましたが、それでもビデオのレンズなんかより収差を抑えた大口径の高級レンズで撮影された動画は、一眼レフの写真のような綺麗な真円の玉ボケなんかをバックにそれは見事なものでした。

 

それからデジタル一眼で撮った動画をCMに使用したり、また、映画でも積極的に使用されるようになっていったわけです。ただ、流石にライブビューで動画撮影できる最初の一眼レフでしたから、動画のAFが遅くて遅くて使い物にならなかったんですね。AF駆動音が録音されてしまう件もあり、仕事の現場で使われている方々はMFで撮っていたらしいです。そのライブビューAFも、今回のMarkⅡではコントラストAFだけでなく位相差AFも搭載したので、AF速度は飛躍的にスピードアップしました。先述のとおりコンティニュアスAFで、カメラが自動的に被写体を追尾してくれるのは動画も一緒。画質自体、MarkⅡになってさらに動画も綺麗になって動画撮影機としての側面もかなりの物であると思います。

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シャッターサウンド

前にもお話したことがありますが、私はシャッターサウンドフェチなんです。シャッターの音が良くないと、たとえ最新鋭で綺麗に撮れるカメラでも使いたくないと思ってしまいます。このシャッターサウンド、初代のEOS7Dではプラスチッキーでこもった感じでありました。はっきりいってライバルのNIKON D300sのシャキン!と切れる音に比べ、パコンパコンというようななんとも軽い音でがっかりした覚えがあります。

ところがMarkⅡになって、静かではあるのだけど切れの良いいい音になってます。私はシャキシャキした大きな音が好きなんですが、チャッチャッという感じの歯切れの良い音は撮影のテンポやテンションをを上げてくれるものでありました。これが連写時になるとさらに切れのいい感じの音になるんですね。連写で撮っていて非常に気持ちのいい音です。

まとめ

AF性能や連写スピードを見る限り動きものに強いので動体に使わなくてはもったいない。さらに進化したイメージモンスター、動きのあるものの撮影がとても楽しくなるカメラです。

Anyble コーポレート

ライター情報

ひろの ゆげのん 

Instagramページ:https://www.instagram.com/yugenonrx/

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