0「ゼロ」を見つけたことはこの世で最大の発見であったと何かの本で読んだ記憶があります。
無であることを意味する0は、数字として存在し他の1~9の数字とは違った意味で使用される事のある数字でありましょう。
この0が形式番号として使用されていると、感覚的に一風変わったもの、規格外のもの的なイメージを持つのは私だけでしょうか。
0を型式として使用する際、そこにはメーカーサイドとしてもいろいろな想いが込められているのではないかと思います。
SONYのコンデジRXシリーズは1インチセンサーを採用し高画質な写真が撮れるRX100シリーズ、高倍率レンズを搭載し一見一眼レフ風のボディを持つRX10シリーズ、フルサイズセンサーをコンデジボディに搭載し高性能単焦点レンズと一体化させたRX1シリーズがあり、そしてこのRX0。型式番号0のRX、はたしてどんなコンデジなのでしょうか。
今回はSONY RX0のお話です。
RXを冠するこのカメラはれっきとしたSONYのコンデジです。
初めてこのカメラを見た時、正直今はやりのウェアラブルカメラがSONYから出たのかと思いました。
サイズは59.0x40.5x29.8mm、バッテリーを含む重さは約110グラム。手のひらにすっぽり収まるサイズの小さな長方形の箱と言ったらよいでしょうか。
その凹凸のないシンプルな外形からはとても高性能なコンデジであるとは想像できません。
しかしながら水深10mまで使用可能、2.0mの落下耐性、200kgの耐荷重とボディから想像できないくらいかなりのタフネス仕様です。
このカメラ、撮影スタイルはこの大きさですので必然的にこの小さな箱を指でつまむように持つ形となります。
完全防水のボディの上部に電源ボタンとシャッターボタン、底部は三脚穴、背面に操作ボタンと1.5型の小型モニターを装備し、前面レンズ部分はボディに組み込まれている形の為、絞りやフォーカスリングはありません。
絞りはF4固定、フォーカスはマニュアルもできますが基本的にはオートフォーカスでの使用となるでしょう。
レンズは流石SONYのRXシリーズ、35mm換算で24mm相当の画角を持つ、ZEISSの非球面レンズを6枚使用したテッサー T*レンズが使用されています。
このレンズは本体に組み込まれているので、このレンズだけを取り出すことは出来ません。
心臓部は有効約1530万画素のメモリー一体1.0型積層型CMOSセンサーに、画像処理エンジンBIONZ X(ビオンズ エックス)を採用。
この大きさで1.0型のセンサーを搭載しているのは驚きです。
また、メモリー一体型のCMOSセンサーを採用している事で大きな容量の撮影データが渋滞することなくカメラ内部で処理できるため、ストレスなく連写することも可能です。
ちなみにこのRX0、連写スピードは速度優先で16コマ/秒とかなり高速。
広角レンズと相まって動体撮影にもかなりのアドバンテージが発揮されるでしょう。
動画についても960fps撮影によるスーパースローモーションが可能で、まるでテレビのスポーツ中継のようなスロー撮影が可能です。
さらにこのRX0、特徴の一つとして複数台を使った映像作成が可能です。
最大15台のRX0をずらりと並べて撮影する。
それはスタジオ内での撮影であったり野外での撮影であったり使い方はアイデア次第でいろいろ。
例えばスポーツ撮影の場合、サッカースタジアムなど大きなスポーツフィールドで可能であればいろいろなポイントにカメラを設置しリモート操作で撮影する事で、カメラマン一人でもフィールド全体で起こるシャッターチャンスに対応することが出来るようになります。
また、前後左右上下と立体にカメラを配置しそのカメラの中に被写体を入れれば一発で全方向からの撮影が可能となりますので例えば美術品や歴史的価値のある資料などの撮影を行う場合、簡単に全方向の写真データを取得する事が出来そこから3Dモデリングなどの加工に繋げることができます。
カメラのレンズが本体に対して上下左右の真ん中に設置されているおかげで、2台のカメラだけでも左右に並べれば丁度人の目の幅くらいになり、2台のカメラを使った3D撮影も楽しむことができます。
13種類のクリエイティブスタイルと多彩なピクチャーエフェクトを搭載した本機はやはりれっきとしたコンパクトデジタルカメラです。
ただ、両手でしっかりカメラを握って脇を締めて・・などというカメラの基本撮影姿勢はこのカメラには不要。
110グラムのボディはポケットに入れるもよし、ストラップを付けて腰にぶら下げてもあまり違和感は無いでしょう。
スマホカメラの手軽さでRXシリーズの高画質が楽しめ、晴れの日でも雨の日でもさらに水中でも撮影場所を問わずその瞬間を逃さない。
0という型式番号にふさわしい新たなRX、今までのカメラの形を超えたRX0は最強のスナップシューターではないかと思います。
ライター情報
ひろの ゆげのん
Instagramページ:https://www.instagram.com/yugenonrx/
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