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写真のコツ vol. 7

フレーミング

· カメラ

旅先で記念写真を撮るとき、バックには有名な、または旅先を象徴するモニュメントやランドマークを配置します。そうすれば、そこへ行ったことが一目瞭然で、記念写真としての価値はぐっと高まります。そのとき、バックをカットして人物の顔だけをアップにしたらどうなるでしょう。記念写真としての価値はほとんどなくなります。反対に、子どもの生き生きとした表情を写したい場合は周囲を極力カットします。そうすれば、写真を見る人は真っ先にその表情に目が行くのです。このように、どの部分を切り取るかによってカメラマンの意図を写真を見る人に伝わりやすくなります。この切り取るという作業をフレーミングと呼びます。

フレームは「枠」という意味です

フレーム 写真

フレーム(frame)を直訳すると「枠」という意味になります。写真でいう枠とはファインダーのことです。つまり、目の前にあるシーンのどの部分を切り取って写真に納めるかと解釈すればいいでしょう。もっとも、写真や絵画には構図という大きなテーマがあります。フレーミングと構図の区分はあやふやで、きっちりと分けるのは難しいのですが、ここでは構図とは「配置」と解釈しておきます。つまり、被写体をどのように切り取るのかがフレーミングで、被写体をどこに配置させるかが構図と考えてください。

 

ここで断っておきたいことがあります。フレーミングは簡単ではありません。被写体を見つけてファインダーで覗くというのは写真を撮るために欠かせない作業ですが、そこでイージーにシャッターを切るのは禁物です(覗いた瞬間にサッとシャッターを切る撮影術もありますが)。これでいいかをじっくり考えてください。どうすればいいフレーミングになるかを……。シャッターを切るたびにそれを考えるとあなたのフレーミングのスキルは間違いなくアップするでしょう。

ズームレンズはフレーミングを大きく変えました

ズーム 虫眼鏡

現在のフレーミングはズーミングを抜きにしては考えられません。今や単焦点レンズのシェアは微々たるものでしかなく、圧倒的にズームレンズを利用する人が多いというのが現状です(単焦点レンズのメリットはいろいろありますが、項を改めて紹介しましょう)。特に、望遠系のズームレンズは利用価値が高く、少々離れていても、とても近づけない場所でもアップすることができるようになり、フレーミングの自由度は格段にアップしました。

また、ズームレンズの性能は年々上がり、明るく、解像力の優れたものが登場しています。

ただ、必ず心がけてほしいことがあります。安易にズーミングして被写体をアップにしないでください。被写体をアップにしたければまず自分が近づく。それが基本です。被写体が人物でないにしても、その息づかいが感じられる距離に接近してください。

なにをどう見せるか、それがフレーミングです

作例①から作例⑤までを並べてみました。それぞれの違いを見比べてください。

作例①は通路からほぼ正面にイヌマキをストレートに見ています。作例②は①とほとんど同じですが、左手前の刈り込んだツツジをやや大きく配置して前景としての役目を負わせています。作例③はイヌマキを中央に大きく配置しています。作例④は左手前のツツジを主役にして、イヌマキは背景という扱いです。そして、作例⑤は、それまではすべてタテ位置だったのをヨコ位置にして通路を正面に配置しています。ツツジは左、そして他の低木を右手前に、さらに切り株を一番手前に置きました。

このように、まったく同じシーンを目の前にしていながら、どこを切り取るかで写真はガラッと変わります。なにをメインにして、それをどのように見せるかを決めるのはカメラマンたるあなたです。

作例1

作例①

作例2

作例②

作例3

作例③

作例4

作例④

作例5

作例⑤

ヨコで切り取るか、それともタテで撮るか

通常、35㎜サイズのカメラは両手で保持します。ただし、右手はシャッターを切るなどの操作も兼ねます。左手はピント合わせ、ズーミングも兼ねています。そのため、基本的にカメラはヨコ位置で構えるのが基本で、それにともなって写真もヨコ位置になります。ビギナーの写真がほとんどヨコ位置になるのはそれが理由です。

 

ところが、写真はなにもヨコ位置にこだわる必要はありません。斜めにするのは特殊な例として、ここではフレーミングの一環としてタテ位置の写真を取り上げてみました。分かりやすい例としては人物写真があります。立っているにしても座っているにしても、それが1人なら被写体としてはタテに長くなります。それをヨコ位置で写せば左右に無駄なスペースが生まれます。もちろん、そこに必要なものがある場合は別ですが、被写体だけを写したい場合はタテ位置にするのが自然です。

 

作例⑥は庭園の広い範囲を写したものです。その目的のためにはヨコ位置が妥当でしょう。それに対して、作例⑦は石灯籠とそれを挟む2本のイヌマキを切り取っています。これを被写体とするなら当然タテ位置になります。

作例6

作例⑥

作例7

作例⑦

タテ位置はホールドに注意して

フレーミングや被写体によってはタテ位置の方がベターだということは分かっていただけたと思いますが、タテ位置の場合の注意点があります。それがカメラのホールドです。前述したように、カメラは基本的にはヨコ位置で保持するように設計されています。それをタテ位置で構えるのですから多少の無理が生じます。つまり、ガッチリとホールドできなくなるのです。最近のカメラは手ぶれ補正機能が備わっており、かなり軽減されているとはいえ、シャッター速度が遅くなるとブレやすくなります。それを避けるには、タテ位置で構えたときのホールドをしっかりしなければなりません。

標準的なタテ位置のホールドは右手を下、左手を上にします。そして、左手でカメラを額に押しつけます。右手は脇を締めてシャッターを切ります。利き手の問題もあって逆に構える人もいますが、慣れればどちらでもブレずに撮影できるようになるはずです。タテ位置の写真もどんどん試してみてください。

まとめ

本文で少し触れたように気軽にシャッターを切るのではなく、その前にフレーミングを考えてください。これでいいのか、もっと理想的なフレーミングはないか、ほかの切り取り方はないかを考えてみてください。デジカメが主体の時代です。フイルム代、現像代は不要です。どんどん撮影してじっくり見比べる習慣を身につけましょう。それがあなたの写真を進化させるのです。

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