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写真のコツ vol.9

一部を切り取る

· カメラ

ここにモノがあるとします。そうですね、写真の記事ですから、カメラとしましょう。カメラというモノを見るとき、理由がない限り人間は無意識に全体をとらえようとします。安定を求めようとしていると言い換えてもいいでしょう。

 

理由とは、例えば手前にあるモノの陰になっていたりする場合です。その全体をとらえようとする「無意識の意識」を破ると見る人は違和感を覚え、印象的な写真となります。それがどのようなものなのか見てみましょう。

人の頭は切ってはいけないものでした

broken image

昔の話ですが、写真には迷信がありました。写真を撮られると魂を抜かれるというのがその最たるものですが、三人並んで写ると真ん中の人は早死にするとか、手足が切れた状態で撮られるとケガをしたり病気になったりするというのもありました。そこから派生したものらしく、頭を切ってはいけないというルールも長らく信じられてきました。人に関わるものだから特別にそういう思いが強いのかもしれません。

 

しかし、現在は、それよりもバランスを重視する時代です。頭が切れていようと、手や足が切れていたとしても、写真全体としてのバランスが取れていて必然性があればそれでよしとする時代になりました

クローズアップとは紙一重

写真 クローズアップ

モノの一部に焦点を当てて拡大するクローズアップという手法があります。通常はお目にかかれないミクロの世界を拡大し、新鮮な驚きを感じてもらおうというものです。一部分を切り取るというのはこのクローズアップと非常によく似ていて、不可分の領域もあるのですが、パッと見てそれがなにかはすぐわかるというところで区別できるような気がします。クローズアップでもそれがなにかはすぐわかる場合もありますから、その点が必ずしも区分するときの基準になるわけではありません。

専用アクセサリーがあれば応用範囲が広がります

広角レンズにしても標準レンズにしても、ピントが合う最短距離は決まっています。30〜50㎝以上(レンズによって異なります)は近づけないというものです。そのため、近づいて周囲を切り取りたい場合は専用のアクセサリーが必要になります。

 

一般的に、近接撮影をする場合はマクロレンズ、接写リング、クローズアップレンズのいずれかを使うのですが、ここでは最も手軽なクローズアップレンズをおすすめしておきましょう。このレンズはクローズアップフィルターとも呼ばれており、その名称からわかるように通常のレンズの前面にねじ込むだけでOKです。そのため、径が合えばどのようなレンズにも使用できます。No.1からNo.10まで倍率があり、どの程度クローズアップするかによって倍率を使い分けます。ACタイプは画質がよく、それだけに価格も割高になりますが、MCタイプなら2000〜3000円で販売されています。入門には最適といっていいでしょう。

なんであるかはすぐわかるように

はさみ クローズアップ

以前、こんなクイズ番組がありました。一部分を大きくクローズアップして解答者に見せるのです。それがなにか誰もわからなければ少しだけ小さくします。それでも解答者が出なければさらに小さくして、より全体がわかるようにします。できるだけ早い時点で正解を導き出した解答者に得点が与えられるというものですが、写されたものがなにかわからないようでは写真としては失格です。なにかわからなくても写真として成り立っていればいいではないかという意見もあるでしょうが、それはクローズアップ写真の範疇です。前述したように「紙一重」の違いがここでも絡んできます。

両者を定義づけるのが目的ではないからこれ以上は触れないでおきましょう。ただ、なにかがすぐわかるようにという原則は意識しておいてください(必ず守らなければならないわけではありません)。

一部を切り取るときの注意点は質感です

接近して撮影するとなにが変わるかというと、ひとつはモノが大きく見えます。もうひとつは、細かいところがよく見えるようになります。写真の場合は質感表現という言葉を使います。質感とはそのモノが持つ視覚的な特徴です。布や金属、木肌、石、和紙など特徴のあるモノはたくさんあります。そのモノしか持っていない質感をうまく表現すれば写真としての価値は高くなります。

 

では、どうすれば質感を表現できるでしょう? 答えはピントとコントラストにあります。ピントが甘いと質感の再現性は著しく損なわれます。特に、接近すると被写界深度が浅くなりますから、写真の中心、または目を引きつける部分にしっかりピントを合わせなければなりません。そのためには、AF(オートフォーカス)任せにはしないようにします。AFで合わせたあと、MFに切り替えてピントがどこに合っているかを確認するようにしてみましょう。

 

もうひとつのコントラストは、影の使い方にあります。真上、または正面から光を当てると影は生まれません。そのためフラットな画像になってコントラストがつかないのです。しかし、斜めから光を当てると影が生まれ、コントラストがつきます。光の使い方が重要になるのです。

まとめ

風景写真を写すときは目の前の情景の中から一部分を切り取ります。ポートレートでは背景を含めて女性の顔や体の一部を切り取ります。このようにみてくると、写真の多くは一部を切り取ることで成り立っているといっていいでしょう。それをもっと押し進めたのがこの記事のテーマです。取っかかりは「緩いクローズアップ」です。質感を表現しやすい被写体を見つけたら30㎝前後まで近寄り、斜めから光が当たる条件を探してみてください。

 

どのような写真になろうとも気にせず、どんどん写してみましょう。今はデジタルの時代です。フィルム代も現像代も気にせず写せます。どんなものでもどんどん撮影して、気に入らなければどんどん削除すればいいのです。

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