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間違いだらけのクロダイ釣り vol. 3

細いハリスでないと釣れない?

· フィッシング

昔から、クロダイは目がいいからハリスが太いと警戒して釣れないという迷信が伝えられています。釣り人の間ではクロダイもメバルも目がいい魚といわれているのですが、それがどのような根拠に基づくものなのかは分かっていません。実際に試してみて、ハリスが太いと食わないのに、ハリスを細くすると食うという事実を積み重ねて初めて根拠といえるのです。ところが、クロダイもハリスも太いハリスで十分食ってきます。

一般に、クロダイはそれほど数が釣れる魚ではありません。1日粘って当たりが2、3度あればいい方でしょう。その数少ないチャンスを確実にモノにするにはあえて細いハリスを使うのではなく、ある程度太いハリスを使ってバラさずに取り込むことを優先するべきでしょう。

ハリス3号、チヌバリ5号でも十分釣れます!

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太いハリスと細いハリスを比べた場合、魚にとってどのような違いがあるか考えたことはありますか。太いと見える、細いと見えないというのはナシです。海の中は絶対的に光の量が少なく、水深が5mを超えると晴天であっても極端に視界が悪くなります。そのため、海の中で生活している魚の視力は非常に劣っています。美味しいエサであっても数m以内に近づかないと見えないといわれています。さらに、仮に見えたとしても魚がそれを危険なものと見なすことはあり得ません。その付近を漂っているゴミとしか見ていないでしょう。

クロダイ釣りは細ハリスという風潮に反発して、あえて太ハリスで挑戦しているベテランがいます。その人は3号ハリス、チヌバリ5号でじゃんじゃん釣っています。並んで竿を出していても、ほかの人よりも圧倒的に数を上げます。

その人いわく「クロダイ釣りは仕掛けじゃない」。

ハリスの太さ、ハリの大きさよりも優先しなければならないことがたくさんあり、それを実行すれば仕掛けはクロダイの食欲になんら影響しないというわけです。

どうしてもヒットしないときは底這わせで

仕掛けを結びなおす

ハリスの太さ、ハリの大きさよりも優先しなければならないことはさておき、ここではハリスの話を進めます。ハリス3号、チヌバリ5号でもクロダイは気にせず食うと前述しましたが、活性や釣り方によっては気にする場合もあります。相手は生き物ですから常に同じ状態でエサを食べることはありません。旺盛な食欲を見せるときもあれば、少ししか食べたくないときもあるでしょう。これは食べたくないけれど、これなら少し食べてみたいというケースもあるかもしれません。人間と同じで、クロダイにもそのときの体調や気分によって食欲に差があります。好みも変わることがあります。そのせいで、太いハリスではどうしても食わないときがあります。

 

そんなときはさすがにハリスを細くせざるを得ないのではないか? そう考えるかもしれません。しかし、すぐにハリスを細くするのは待ってください。それをする前にやることがあります。

 

グレ釣りではハリを落とすというのが相場ですが、クロダイ釣りではハリスを這わせるのが先決です。クロダイという魚はいろいろな釣り方でヒットすることはよくご存じでしょう。ウキ釣り以外に、ミャク釣り、落とし込み釣り、カセ(イカダ)釣り、さらには投げ釣りでも食ってきます。さらには、イシダイ釣りにもヒットします。

 

ここで注目してほしいのが投げ釣り、イシダイ釣りです。どちらもハリスは太く、イシダイ釣りに至ってはなんとワイヤです。それでもクロダイが釣れるのはなぜだと思いますか? 答えはエサが底にあり、ハリスが海底を這っているからです。そこで、クロダイがどうしても食わないときはウキ下を水深よりも深くして、ハリスを這わせてみてください。こうすればエサはフラフラすることはなく、泳ぐのが苦手なクロダイも安心して食べることができます。

 

ただし、この方法は根掛かりが少ない地形に限られます。岩礁帯に藻が生えている状況では一投一投根掛かりしかねません。堤防や砂浜などの砂地限定だと思ってください。

ハリスのキズやヨレには注意

ハリスの傷

ハリスは太くても気にせず食うとはいえ、活性の高いクロダイでも嫌うケースがあります。それがハリスのキズやヨレです。フグやカワハギのような歯のある魚がエサをかじるとチモトにキズが入ります。根掛かりを強引に外したときもキズは入ります。また、ハリを結ぶとき失敗してなんどもやり直すとヨレが入ります。絡んだ仕掛けを解いたときもヨレやすくなります。

ヨレやキズが入ったハリスは海の中ではどのように見えるでしょうか。海の中ではハリスが見えることはなく、見えたとしても魚は危険だとは思わないと前述しました。しかし、キズやヨレがあるとそういうわけにはいかなくなります。好天で日光が射し込んでいるとキズやヨレは反射して白く光ります。それでも、その反射光がじっとしていればいいのですが、釣りをしているとさまざまな動きが加わります。特に、合わせたりするとその白い光は大きく速く動きます。これは魚にとって脅威です。ゴミと思っていたハリスが突然危険物に変身するのです。魚は驚いてその場から逃げ去るでしょう。せっかくコマセを効かせて足元まで寄せたのにそれを追い散らしたとしたら、それこそ逆効果です。

ハリスのキズやヨレは仕掛けを巻き取るたびに細かくチェックし、発見したらすぐに切り捨てて結び直しましょう。

道糸はハリスの1〜2ランク上を

道糸のチェック

近年、グレ釣りではハリスよりも道糸の性能を取りざたされることが増えています。グレ釣りの場合、サシエを先行させてなおかつ仕掛けを張らないといけないという前提を満たす必要があり、道糸の存在がそれを大きく左右するからです。しかし、クロダイ釣りではそれが要求されるケースは少なく、底で食わせる場合はほとんど無視して構いません。それにともなって、道糸にこだわる必要もありません。ただ、簡単に切れず、使いやすければそれでよしとされています。ここでいう使いやすさとは、糸クセがすぐ取れて、浮きも沈みもしないサスペンドタイプを指します。

太さはハリスの1〜2ランク上を使います。特殊なケースではハリスより細い道糸を使うこともありますが、高切れを防ぐためハリスより太くするのが一般的です。同じ号数を避けるのも同じ理由からです。

まとめ

ハリスが太くてもクロダイは食うとはいえ、それなら5号とか7号を使ったらどうかという意見もあるでしょう。それでもクロダイがヒットする確率は下回らないと思います。しかし、それで釣りが楽しいでしょうか。2〜3号の硬い竿を使い、ハリスを5号にすればハリに掛かったクロダイをバラすことはほとんどありません。しかし、それで釣りが楽しいと感じますか。竿が大きく曲がって魚の引きを味わい、ハリスが切れないかどうかというスリルを味わうのも釣りの大きな楽しみです。ある程度ハリスを細くして相手にも逃げるチャンスを残しておくというのも釣りの楽しみ方といっていいでしょう。

細くするのも太くするのも限度があります。自分なりの限度を設けてクロダイ釣りを楽しんでください。

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